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2号の高校卒業式(1) [子どものイベント]

1994年リレハンメルオリンピック開催時に2号は生まれた。
荻原健司を筆頭にノルディック複合が非常に強く団体で金メダル連覇を獲得した、あの時だ。
あの頃の仕事は休日出勤して平日代休でスキー三昧の日々でもあった。懐かしい。

さて、その2号の高校卒業式が先日3/2に開催された。

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体育館や一部校舎は建て替えられたが私の母校でもある。
生徒数は年々減少するばかりで寂しい限りではあるが、それも時の流れというもの。
まずは、本日の主役2号について愉しもうと思う。

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昨年の1号の卒業式では、のんびり参加するのみでお気楽であったが、
そのツケとも云おうか、今回はミッションが多く気が抜けないが、それで脳に喝なればヨシだ。

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町長、町議長、教育委員会、町内小中学校校長を始め、昨年まで在籍の先生方など、
多くの御来賓がいらっしゃり、程よく緊張感の走るオレだ。

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オレは最後に保護者を代表して謝辞を述べるのだが、
事前オファーが少し曖昧なので、壇上ではないと思うがどこでかな? と目がキョロキョロ。
また厳粛な式典なれば、一般のスピーチと異なり、
しっかり述べるべきゆえにカンニングペーパーを事前に準備はしているのだが、
その場で準備記述と異なる部分をいくつか、式典案内や祝辞を聞いて発見する。
それは修正して話さなきゃいけないなぁ、などと更に気が引き締まる。

例えば、「・・・校長先生より温かいご祝辞を頂き・・・」という部分では、
実は校長先生は「式辞」であるので、“ 祝辞 ” を “ 式辞 ” と代える必要があるが、
「御式辞=ごしきじ」「ごしきじ~?」・・・あまり馴染みのない言葉のような気がして???
あ、“ お言葉 ” と言い替えよう、でも大丈夫かなあ?などなど気が抜けない。
こんな時に教養の無いことが恨めしい自分だ。

さて、いよいよ名前を呼ばれて後ろの保護者席より勇躍進み、来賓席へ会釈するが、
知っている顔々が瞬時に目に飛び込めば、案外冷静な自分を確認したりするものだ。

さて振り向くとマイクがステージ下の中央に準備されて、
ここでよろしく、との案内を担当先生と目で確認する。
前席には卒業生がいて当然2号もいるので、ト~ちゃんバシッ!とキメるからな ♪

マイクに歩み寄り先生方席に会釈をすると、先生方がゾロゾロと立ち上がる。
ちなみに保護者は立たないな、などと横目で気付いたりする。

僭越ではございますが、
 卒業生の保護者を代表しまして、一言お礼の言葉を述べさせて頂きます。
 本日はこのように素晴らしい卒業式を挙行して頂き・・・
 ・・・(中略)・・・
 ・・・さらなるご活躍をお祈り致しまして、お礼の言葉とさせて頂きます。
 本日はまことにありがとうございました。

この赤字の最初と最後はカンニングしないで顔を上げ正対して述べるつもりでいる。

さて、いよいよ「僭越では・・・」と語り出すと、
マイクが入っていないようだ。おや?
立ち位置が悪いのでマイクが声を拾えないのか、と瞬時に判断して、
剣道の摺り足のように、ススッと近づいてみるが、変わらないような気がする。
これはイカン! 周囲へ聞こえないのはみっともないので、地声で大声でか?と瞬時に思い、
「卒業生の保護者を代表しまして、」とボリュームアップした途端に、
なんとマイクが入り、館内へもボリュームアップ!
・・・うげげ、とびっくり、内心動揺してしまう。

ここまで僅か数秒の出来事だ。

その動揺のおかげで次の言葉が出てこない、うぉっピンチ!ヤバイ!
と思った瞬間、「一言お礼のあいさつを述べさせて頂きます。」と自然と言葉が出た。
瞬時の間があり、「お礼の言葉」が「お礼のあいさつ」に代わったが、
まぁ許容範囲なので大丈夫だな、と落ち着きを取り戻し、カンニングの読み上げに入る。

あ~ぶね、あ~ぶね。ヤバかったっス。

序盤のピンチを乗り切った安堵感と、しっかり延べ続けなければ、と軽い緊張感は交錯する。

カンニングペーパーは読みやすいように、文章・文節、内容に則して工夫して書いている。
家で本番さながらに一度声を出して読み上げてリハーサルしているので問題ないだろう、
と思っていたし、言葉や内容の修正部分も頭にあるのでイケるな!と再び気張りモードへ。

話し方の基本=相手に顔を向けて(目を見て)話す

で、ペーパーと先生方へ目線、顔を適度に移すのだが、ここでも予想外の事態に遭う。
今日はメガネを掛けている。
ペーパーに目をやると、メガネを通す部分と外れた部分が見えるのだが、
その境界に段差が出来てぼやけてしまい、字を非常に把握し難い!
これは普段はメガネを掛けないので気がつけなかったことで、もちろんリハーサルでも無し。
そこへ適度な遠さの距離の先生方へ顔を向けると、
別に合わなくてもよいピントを、目が無理矢理に合わせようとするようだ。
再び顔をペーパーに移すと、これまた近距離へのピント合わせに、間が生じ遅く感じる。

遠くと近くでピントが、ギュイ~ンギュイ~ンと、もたもたとするようで非常に疲れる。
あー、こんなところも歳なんだな、はぁ~、と読み上げつつも、内心ため息をつくオレ。

わずか2分の間に、他人には判らぬ予想外の大いなる闘いであったが・・・勝った。
オレは克ったのだ。
たぶん勝った、はず!
小さいけどね。
(今、回想すると愉しかったぜ。)
真の大勝負は、この後に控えているので、ここで躓いていられないっスよ。


席に戻る際も来賓席へ会釈すると、その中に懐かしい方がおられ、
目を爛々と輝かせてニコニコと顔を向けて下さる。
来賓退出では、私の席に近づいてこられ、
「元気そうだな、お子さんの卒業おめでとう。」と声を掛けて下さり、
私も「ありがとうございます。○○さんもお元気そうで・・・。」などと軽く言葉を交わす。
この方は、私が会社に入社した当時の課長さんだ。
入社時から私は可愛がって頂き、今でも感謝しており、あの頃の自身の蒼さも鮮やかに蘇る。
あれから、ちょうど27年が過ぎようとしている。

式の後は、その場で最後の学年部会総会を開催し、気の抜けたあいさつと座長を務める。
寒さと、緊張感の欠如で言葉をたくさん咬んだりしてカミカミ番長(笑)。

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その後は教室で先生と子供たちの様子を眺め、青春の一コマを愉しむ。

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1号の時は卒業式後に進路を決めざるを得なく、非常に大変であった感が強いが、
2号は異なり進路も確定しているので、その点は助かる。

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その後は場所を移動して来賓、先生方、保護者での卒業祝賀会となる。
この祝賀会が、この数日の落ち着かない原因でもあったりする。  

その祝賀会の席において、その担当の先生と隣なのだが、
「先ほどのマイクの件はすみませんでした。
 ワイヤレスの2本の電源が入っていると自動的に出力キャンセルされるので、
 始めに私のマイクを切り損ねてしまい、そちらが入らなかったのです。」
とのことで、オレの短い時間での葛藤、闘いの心の動きを話すと大爆笑であった。

まったく世の中は油断ならん。                                 (つづく


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コメント 4

錦

渡部さん。
読んでて笑いが止まらなくなってしまいました。
なんだか光景が目に浮かぶ様で(^^)
by (2012-03-04 10:25) 

ほらっちょ

錦さん>
いま、最後にひとこと忘れていて追記しました。

どこでもある小さな事柄を大袈裟なドラマに仕立てる常套手段編です。
笑って頂いて本望なのでありがたいです♪

リハーサルを幾ら行おうが想定外はありえるもので、
失敗しても仕方ないなぁ、ぐらいの気持ちで臨むと案外上手くゆきますよね。
しかし改めて目の老化を気付かされると哀しい。
by ほらっちょ (2012-03-04 12:10) 

ふたたびたかです。

うちのは、1995年8月にふたり同時に生まれてきました。ので、再来年春の卒業になります。たぶん、代表で挨拶などする事はありませんんが、
渡辺さんの心の動き、楽しく読ませて頂き、また、良い勉強になりました。
なにかの時に、参考にさせて頂きます。
by ふたたびたかです。 (2012-03-09 20:49) 

ほらっちょ

ふたたびたかです。さん>
再来年春はダブルヘッダーありえますね!
今から準備して30分はやっちゃいましょうよ。
何事も経験と、気合いとハッタリですかね。昭和生まれだし♪
昭和と云えば、
保護者合唱曲はハウンドドックffというのも私が決めました。
・・・呑んでて変なコメントになってしまったな。お許しを。
by ほらっちょ (2012-03-09 22:38) 

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