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『小栗上野介』 [-2018読書]

 幕末の黒船の来航以来、高まる外圧と倒幕勢力の伸長により瓦解寸前の徳川幕府を支えた男がいた。その名は小栗上野介忠順(おぐり・こうずけのすけ・ただまさ)
 その混乱のさなかで勘定奉行や外国奉行、軍艦奉行などの要職を歴任し、遣米使節としてアメリカと通貨・為替交渉をし、横須賀製鉄所(造船所)の建設や日本初の株式会社の設立、郡県制など、卓越した先見性で様々な新日本構想を描いていた。
 しかし幕府解散で上州権田村(群馬県高崎市倉渕町))に移り住んでからわずか2ヶ月後、西軍により罪なくして斬られ、新しい日本の姿をみることなく歴史の闇に葬られてしまった。
 司馬遼太郎が「明治の父」と評した最後の幕臣の苛烈な生涯を描いた本作は、日本近代史の一幕をも読み取れる歴史小説である。

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 とかく幕末史は倒幕の中心を為した長州、薩摩等の目線で語られることが多く、人物も吉田松陰、高杉晋作、木戸孝允、西郷隆盛、大久保利通、坂本龍馬などが英雄視されている。
 しかし落日の幕府側にも小栗と勝海舟という抜きん出た2人がいた。あまりに対照的な道を辿った2人だが、衰退の体制側に在るも忠を尽くしつつ、新たな時代を読み改革を進めた小栗の先見性は、同じように賞賛されるべきであろう。 

 その小栗上野介忠順は終焉の地である高崎市倉渕町権田の東善寺で静かに眠っている。いつかの機会に参拝するまで心の中で合掌 <(_ _)>


いつか読もうとおよそ15年間も書棚に眠っていた本書だったりする。
やはり “ ホンモノの小説 ” は時を経ても色褪せない!
だから書棚は増える一方だ。仕方ねーだろ m(^_-)m


小栗上野介

小栗上野介

  • 作者: 星 亮一
  • 出版社/メーカー: 成美堂出版
  • 発売日: 1996/08
  • メディア: 単行本


 さて、小栗が没した、そのわずか40年後に日本は日露戦争日本海海戦において、当時世界最強と云われたバルチック艦隊をほぼ完璧に殲滅し世界をあっと驚かせた勝利を得る。
 その日本艦隊を率いた東郷平八郎元帥は、後に小栗の孫を招いて感謝の言葉を伝えた。
 「40年前に横須賀製鉄所の建設を小栗公が進めてくれたおかげで、艦隊の整備は万全となり、勝利を得ることができた」と。
 その時の、東郷の感謝の揮毫が東善寺にあるらしい。

 その日本海海戦では参謀秋山真之と東郷ターンによる丁字戦法が有名だ。
 ドラマ『坂の上の雲』良かったなぁ~、と再放送で観かえしてマス (^^)


 テーマ曲・・・ヤバい 。゜(゜´Д`゜)゜。。。。


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